筆に関してはたくさんは必要ないけど、丸筆・平筆を大小揃えておいた方が良いでしょう。
価格は材質によってピンキリですが安価なナイロン筆は数百円、最上級品は黒テンの毛を使ったものでコリンスキーと呼ばれ1本、数千円~数万円もします。残念ながら経験上高価なものはやはり書き味が違います。ナイロン筆でもいいものは有るけれど穂先がすぐ磨り減って長持ちはしません。いずれにしてもメンテを怠るとどんな筆でもダメになってしまう。
穂先を下にして保管するのはもってのほかです。使い終わったら、水かぬるま湯で良く洗って洗濯用のピンチハンガーなどで乾燥させたら、穂先を上にして空きビンなどで保管します。
購入時には穂先が綺麗に揃っているかが鍵ですが、もうこれは見て勘で判断するしかありません。(丸筆に関しては新品時は糊で穂先を固めて保護してるものが多い)技法書などには筆を買う時は店頭で水につけてみると良いなどと書いてありますが、実際のところ画材店でそんなことを試させてくれるのかどうかは疑問です。
丸筆(ラウンド)
■穂先が命
大抵セット物の付属にあるものはこのラウンドタイプ。廉価なセットに入っているものは毛先がまとまらず使えない事が多い
私はテンの毛で作った丸筆でコリンスキー、セーブル筆と呼ばれるものを使用。水の含みが良く、適度な腰があり、穂先もまとまっています。
ただし、天然のテンの毛は希少価値が高く、お値段も最上級。
特に海外のブランド品は目ん玉飛び出るほど高価なので、私の様な貧乏人には手が出ません。
確かにラファエル社のコリンスキーは最高ですが・・
最近は日本製で品質も良く、比較的求めやすい価格のものがあります。
私のお気に入りは「アルテージュ」の3070シリーズ、
「金華堂」のセーブル筆 650Rシリーズ、
そして「ピカビア」のコリンスキーなど。
筆は消耗品なので、使う頻度が高ければ毛先は擦り減ります。
よく「コリンスキーは高価だが一生モノ!」の様な記述を見掛けますが、
私の経験では本当に毛先がピンとなってるのはそう長くはありません。
なので・・
よ~く考えて使った方がいいと思います。
固くなった絵具をゴシゴシやってる人をよく見掛けますが、あれは最も筆を傷めます。まず絵具を最初に湿らせて表面を柔らかくしておくことが大事です。
どうしてもゴシゴシやらねばならない時は使い古した筆か安価なナイロン筆でやった方が無難でしょう。
丸筆(羽管)
平筆
ライナー/リガー筆
日本画筆
デザイン学校に通っていた時使っていたのはこの和筆、なのでなじみが深い。値段もそんなに高くないし、日本画用の筆ですが、水彩画の筆としても全く問題ありません。洋筆は一切使わず、和筆だけで描いている人も珍しくはありません。大きく分けて彩色筆、線描筆、面相筆があります。
《彩色筆》和筆の代表的な筆。羊毛と馬毛をブレンドしてある。彩色全般に使用できます。
《削用筆》 芯がイタチの尾毛で出来ていて腰があり外側が羊毛で水を含む役目をする。これ最高!
《尖鋒筆》 水墨画用の線描筆。イタチ、羊、馬毛混合で適度な腰があって細かい線描に最適。
《面相筆》名前の通り、顔の細かいパーツを描くための筆。イタチの毛で出来ていて適度な腰があって細部を描くのにはもってこい。
《絵刷毛》 主に広い面のウォッシュに使用します。羊毛なので画面に水を引く場合も下塗りを傷めにくく、1本あると重宝します。