水彩画は水をたっぷり使って描くので紙が水を吸って波打たないように予め伸ばしておくと安心!
描く前の「儀式」の様なものだ。
凸凹になった画面にキレイなウォッシュを施すのは難しい。
水張りは水彩紙にたっぷり水を吸わせて、一度伸ばしてしまいます。
そして4隅を水張りテープで止めると乾燥する時に紙は元に戻ろうとするので
ピンと張るわけです。
きちんと張られた紙はどんなにウォッシュを施しても撓みません。
水張りには色々な方法がありますが、ここでは私が長年試した中で失敗が少なく楽な貼り方を紹介。(20号くらいまでならこれでOK)

まずは・・・

■最初にテープを切っておく


まず準備するのは、水張りしたい水彩紙、それより一回り大きい画板、水張りテープ、はさみ。
水張りテープは色んな幅のテープが売っていますが、私は25mm幅の白いテープを使っています。若干他の色より薄いですが、塗る前にちょっと色味をテスト出来るのでコレにしています。
画板は5.5mm厚のシナベニヤを普段良く使う水彩紙の大きさに合わせ数種類用意しています。
紙の方に1/3、画板の方に2/3くらいテープが掛かる様にするので、画板はそれを考慮した大きさのものを選びます。
最初に上下左右、4辺の長さにテープをカットします。


■マーキング


水彩紙の表裏を確認したら、裏に印をつけておく。


■テープはすぐ仕舞う


水張りテープは必要な長さにカットしたらチャック付きのビニール袋などに空気を抜いてすぐ仕舞います。
切手の様に糊がついているので。湿気を吸うと丸ごと固まってしまいます。


全部浸してしまう

■たらい or 浴槽で


水彩紙の水張りは裏だけ湿らせて張るというのが定番ですが、表側にカールしてきて非常に張りにくい
私は全部湿らせてしまいます!
大きめのたらい、又は浴槽に水を張って(2~3cmもためれば十分)水彩紙の表、裏に水を馴染ませたら表を上にして5分ほどそのまま浮かべておく。
5分もすればたっぷり紙が水を吸って、でれ~んとなります。


■水気を切る


たらいから水彩紙をつまんで良く水を切ったら画板に乗せ、さらにキッチンペーパーなどで軽く押えて表面の水気を取ります。
あまり強く押えると表面のサイジングに影響が出るので注意する。
※ティッシュペーパー弱くボロボロになるし、タオルは毛羽立つので自分は使いません。


テープを張る

■素早く引く


次にテープの糊面を上にし、刷毛かスポンジに水を含ませたらテープを滑らす様に素早く引きます。この時動かすのはテープの方で、刷毛やスポンジは固定しておくのがポイント!


■一辺ずつ行う


もっとも手早くやるのはココ。テープは必ず一辺貼る毎に湿らすようにしましょう。すぐカールしてきてしまうので、4辺とも湿らせてしまうと失敗します。始めに長辺方向から行い、次に短辺方向を貼ります。


■出来上がり!


テープは空気が入らないようきちんと貼られているか湿っているうちにチェックします。テープがしっかりしれいれば多少紙がたわんでいても大丈夫!


テープを使わずホチキスで張る方法

■小さいサイズなら


A4サイズ以下の小さなものはこれでやってしまう事が多い。
用意するのは水彩紙、画板、ホチキス又はタッカー、マスキングテープ。


■5cm間隔


水につけて画板に乗せて、水気を切るまでは前項と同じ。
水張りテープの代わりにホチキスで止めてしまいます。間隔は5cmくらい。タッカーで止める場合は画板も針が飛び出ない様に厚めの物を使うか、パネルを使う。


■白いエッジを作る


ホチキスで止めたままでも描けますが、さらにマスキングテープで4辺を貼ってやると描き終ってから廻りに白いフレームが出来て、手に取って作品を眺める時に簡易マットの様な感じになる。


天日干し

■乾かします


天気の良い日なら1時間も陽に当てれば乾きます。
曇っていても風通しの良い場所に置いておけば2~3時間でOK!
写真は立てていますが、平らにして乾かした方が風に飛ばされず良いです♪


良い画材が無けりゃ・・

絵が描けない訳じゃない。ましてや上手な絵が描けるわけでもない。
そんな事は百も承知・・・でもちょっとしたこだわり、ささいな喜び。どうせ描くならお気に入りのものに囲まれていたい。そのぐらいの贅沢は許されるはず・・・ここは私のオモチャ箱

僭越ではありますが・・

ここでは水彩画の道具について初心者の方が見ても分かる様に説明しているつもりですが、私の個人の価値感、使用感ゆえにエキスパートの方々が見れば眉をひそめる様な記述が多々あるやも知れません。なんらかのご指摘・ご指導が御座いましたらこちらのほうへ。

結局のところ・・

安かろうが高かろうが自分にあったものを見つけるのが1番なのは言うまでもありません。でもそこにたどり着くには色々試してみなけりゃ分かりませんからね。コレって決めつけるのもつまらないし、気分次第であれこれ触ってみるのも楽しいのです♪